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# チベット語の祖・文殊菩薩の化身　トンミ・サンボータ

<figure><img src="/files/ekKcys4QTnhU4Yopx3m3" alt=""><figcaption><p>チベット語の祖・文殊菩薩の化身　トンミ・サンボータ</p></figcaption></figure>

チベットに仏教をもたらした観音菩薩の化身ソンツェン・ガンポ王は、633年に家臣たちを集めて「これから道徳に基づいて国家を運営して繁栄していくために、いまのチベットには何が足りないのか」と意見を募った。トンミは「大国は独自の文字をもっていますので、何事も運用しやすいものです。いまのチベットは口語をただシャンシュン文字の借字で書いているだけですが、これからはチベット独自の正しい文字が必要ではないでしょうか」と進言した。

そこでソンツェン・ガンポ王は、仏教の源流であるインドの文字に倣った独自の文字と文法を開発するプロジェクトを組織させ、１0名ほどのチームをインドへ派遣した。過酷な道中でチームのメンバーは猛獣に襲われたり、病死したり、帰国した者もいたので、最終的にトンミひとりだけが無事に残った。

トンミはインドで多くの学者に師事し、インドの様々な文字や文法学、仏教まで学び大変優秀であったので、インドの学者たちも彼を「サンボータ」といって讃えるようになった。こうしてトンミはチベットの未来のため、仏典を翻訳するためのウチェンと通常用いるためのウメーの二つの書体をもつ独自のチベットの文字システムとその文法を開発し、チベットへと帰国し、黄金の文字でしたためて王に奉納した。

ソンツェン・ガンポ王はこのチベットの文字とその使用法を公用言語として制定し、仏教の十善に基づく法律を制定し、それをすべての国民へ教育し、普及させていった。トンミもまた観音菩薩に関する仏典の翻訳などを行った。今日のチベット語は、この時にトンミの開発したチベット語の文字システム・文法に基づくものであり、世界最大級の仏教文献のコレクションを誇っている。
