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# 1. 名詞

**名詞はチベット語の文章の三つの核心的構成要素のうちの第一の要素である名詞集合体（མིང་ཚིག་གི་ཚོགས་）を形成し、意味上のクラスターとして文を構成する。**

## A1　名詞とは何か

名称（མིང་）とは複数の音素文字の集合体（ཡི་གེ་དུ་མ་འདུས་པ།）のことである。１文字のみでは何も表現できないが、複数の文字が集まることで、名称を形成できる。名詞はチベット語の文章の三つの核心的構成要素のうちの第一の要素である名詞集合体（མིང་ཚིག་གི་ཚོགས་）を形成し、意味上のクラスターとして文を構成する。

{% hint style="info" %}

1. 「名称」(མིིང་།)「名詞」(མིིང་ཚིིགེ་)をこのように定義することから、日本語でいう「体言・用言」「名詞・形 容詞・形容動詞・動詞...」といった文法上のことばの分類よりもより広範囲のものを「名詞」という。
2. チベット語で文字(ཡིི་གེེ་)は音を本質とし、以下のཀ་などの30の父音文字(གེསལ་བྱེེད་སུམི་ཅུ།)とཨིི་ཨུ་ཨིེ་ཨིོ་の4つ の母音(དབྱེངས་བཞིི།)がある。たとえば音節記号をもたない単体の ཀ だけでは「カ」とも読めず、何とも表現できな い、ということがここで「1文字」では何も表現できないということである。ཀ་ もしくは ཀ། としてはじめて、ཀ+ཨ = ཀ་ すなわち「カ」と発音して何かを表現できるということである。
3. 名詞集合体については本書[8.補遺](/jongzhi/08_khaskong.md)を参照されたい。
   {% endhint %}

## B1　単音節の名詞

1文字しかないが、音節記号（་）を付加し単音節を形成し単音節の名詞が形成される。

> ང་། 　私　 ཁ། 　口　 ཆ། 　揃　 ཇ། 　茶　 ཉ། 　魚\
> ཕ། 　父　 བ། 　牛（雌） མ། 　母　 ཝ། 　狐\
> ཡ། 　奇数　 ར། 　柵　 ལ། 　丘・峠　 ཤ 　肉　 ས། 　土

また1音節であるが、複数の文字で構成した名詞には次のようなものがある。

> མཁར། 　空　 གངས། 　雪　 གླུ། 　歌　 སྒྲོ། 　羽\
> སྒེར། 　個人　 དགྲ། 　敵　 སྒྲུང་། 　物語 བརྒྱད། 　八\
> སྟག 　虎　 སྣ། 　耳　 ཕྱོགས། 　方角 　མཚོ། 　湖　 ཡུམ། 　母（敬）

## B2　二音節の名詞

チベット語で最も頻繁に使用される名詞は、この2音節よりなるものである。

> ཀ་བ། 　柱　 དཀར་པོ། 　白　 ག་ཚོད། 　何個 　ཆེན་པོ།　大\
> རྐང་པ། 　足　 འཁོར་ལོ། 　輪　 རྐུབ་སྟེགས། 　財布　སྐར་མ། 　星

## B3　複音節の合成名詞

通常ひとつの名詞は2音節で意味上は完了する。それを複数組み合わせ、三音節以上の名詞を構成したものを合成名詞という。合成名詞は、構成要素となる個々の名詞が意味するものではない、別の特定の指示対象を表現できる。たとえば མེ་འཁོར།（汽車）の場合、動力 མེ་（火）と可動部འཁོར་ལོ།（輪）は単独では別々の指示対象を表現しているが、 མེ་འཁོར། と合成名詞をつくった場合には「汽車」という別の名称となる。

> མེ་འཁོར། 　汽車　 གླིང་ཆེན། 　大陸\
> བོད་སྐད། 　チベット語　 བོད་མི། 　チベット人\
> ལྕགས་ལམ། 線路　 གངས་རི། 　ヒマラヤ　 རྒྱལ་སྲས། 王子／勝子\
> རྡུལ་ཕྲན་མཚོན་ཆ། 　核兵器 སྒྲ་འཛིན་འཕྲུལ་འཁོར། レコード\
> གནམ་གྲུའི་འབབ་ཐང་། 　飛行場　 སྲིད་འཛིན། 執政者・大統領

## A2　名詞の分類

## B1　直称名詞 དངོས་མིང་།

本来ある対象を命名し、直接的にその対象を指示しようと構成したものを直称名詞という。

### C1　意思由来の直称名詞 འདོད་རྒྱལ་གྱི་དངོས་མིང་།

ある対象を、特に根拠もなく、命名者の自由な意思で命名した名称が、その対象を直接指示する呼称として流通しているもののことを意思由来の直称名詞という。

> བུམ་པ། 　瓶　 ཀ་བ། 　柱\
> ཁང་པ། 　家　 མི། 　人　 གནམ། 　空

#### C2　合成した直称名詞 རྗེས་གྲུབ་ཀྱི་དངོས་མིང་།

直称名詞を複数合成することで他のものを表現することもできる。

> བཟོ་གྲྭ། 　工場　 སློབ་གྲྭ། 　学校\
> ཆོས་གྲྭ། 　僧院　 སྒྲུབ་གྲྭ། 　修行場\
> འབྲས་ཞིང་། 　米田　 གསེར་ཁང་། 　黄金殿

「工場」という直称名詞は、その命名の由来を説明できる。「作る」（བཟོ་བ་）「場所」（གྲྭ་）という意味で「工場」という術語は合成されているからである。

## B2　呼称名詞 བཏགས་མིང་།

### C1　意思由来の呼称名詞 འདོད་རྒྱལ་གྱི་བཏགས་མིང་།

普通の人に対して、特に根拠もなく自分たちの意思で「サンゲー」（仏）と命名した場合、その人の固有名称は「サンゲー」となる。またある女の子に「ラモ」（天女）と命名している場合もその女の子は天女ではないが、ラモという名称となる。これらは命名した人の自由な意志意思に由来しているのであって、対象にその呼称の根拠がなく、恣意的なものに過ぎない。

| <p><br></p> | **སངས་རྒྱས།** | ལྷ་མོ། | སྒྲོལ་མ། | འཇམ་དབྱངས། |
| ----------- | ------------- | ------ | -------- | ---------- |
| （個人名）       | サンゲー          | ラモ     | ドルマ      | ジャムヤン      |
| （本来の意味）     | 仏             | 天女     | ターラー菩薩   | 文殊菩薩       |

{% hint style="info" %}
チベット人の固有名称は、2音節、2音節を二つ組み合わせた4音節のものが多い。家族の名前を受け継いだ姓を有 する場合もあるが、通常「ロサン・ドルマ」といった場合には、全体でひとつの固有名詞となる。生まれた曜日を固有 名詞にしている者、仏や菩薩などの諸尊の名前を固有名詞にしている者も多い。
{% endhint %}

### C2　合成した呼称名詞 རྗེས་གྲུབ་ཀྱི་བཏགས་མིང་།

* 類似性によるもの：　སེང་གེ 　口が大きく鼻の形が獅子のような修行者を「獅子」という。
* 依存性によるもの：　ཆུ་བྱ། 　「水」に生活を依存している「鳥」で「水鳥」とする。
* 関連性によるもの：　ཞིང་འདེབས། 　畑に種を植えることを「種散き」とする。
* 原因を結果で表現するもの：　མེ་ཤིང་། 　「火」を燃焼させる「木」であるので「薪」とする。
* 動詞の現在形によるもの： སྒྲུབ་ཐབས། 　「成就」させるする「方法」で「成就法」とする。
* 動詞の未来形によるもの： བསླབ་གསུམ། 　学んで身につけようとする戒・定・慧を「三学処」とする。
* 動作の完了形によるもの： བཅད་གཏུབས། 　裁断・料理を切った状態
* 動作の命令形によるもの： ཁྲོལ་ཚོགས། 　解散　ཐོངས་མཆན། 査証（VISA）
* 起源となる場によるもの： རྒྱ་གླིང་། 　ギャリン 　རྨ་ཆུ། 　マチュ 　ཙོང་ཆུ། 　ツォンチュ
* 動作によるもの： ཚོང་པ། 　「商売人」　 བཟོ་བ། 　「工作職人」　
* 種族によるもの： བྲང་ཟེ། 　「婆羅門」
* 功徳によるもの： ལག་རྩལ་ཅན། 　「芸術家」
* 所有物によるもの： དབྱུག་པ་ཅན། 　「ダンディン」

## B3　普遍名詞・特殊名詞 སྤྱི་དང་བྱེ་བྲག་གི་མིང་།

### 普遍名詞

普遍名詞（一般名称）とは、普遍として多数の事物を表現できる単独名詞である。

> སློབ་གྲྭ། 　学校　 རྒྱལ་ས། 　首都\
> དགོན་པ། 　僧院　 རྒྱལ་ཁབ། 　国家

#### 特殊名詞

特殊名詞（個別名称）とは、固有名詞のようなものである。

> དཔེ་སྟོན་སློབ་གྲྭ། 　ペトン学校 　ལྡི་ལི།\
> デリー འབྲས་སྤུངས་དགོན་པ། 　デプン僧院 　རྒྱ་གར། 　インド

### B4　合成名詞 རྗེས་གྲུབ་ཀྱི་མིང་།

意思由来の名詞は、その音と対象との関係性はあくまでも任意のものであるので、個々の音節をいくつかに分解して、各々の意味を個別的に説明する語義解釈を行えないものである。単音節の名詞の大部分は、意思由来の名詞であり、１音節しかないので音節に分解できない。

> ང་། 　私　 ཁྱོད། 　あなた\
> མི། 　人間　 གནམ། 　空\
> རི། 　山　 མེ། 　火　 ཆུ། 　水\
> རླུང་། 　風　 གློག 　電気　 གཡག 　ヤク　 རྟ། 　馬

また２音節の意思由来の名詞はたとえば次のようなものがある。

> ཅོག་ཙེ། 　机　 གྲུམ་ཙེ། 　毛布\
> ཁང་པ། 　家　 མེ་ཏོག　花

このような種類の名詞ではなく、各々の音節に分解し、それぞれが表現している意味を個別的に指摘することができるような名詞を「合成名詞」といいこれを「語義解釈可能な名詞」ともいう。

> སྒྲ་འཛིན། 　録音機　 སྒྲ་འཛིན་འཕྲུལ་འཁོར། 　レコード\
> གཟུགས་མཐོང་རླུང་འཕྲིན། 　映像放送（テレビ放送）\
> རྡུལ་ཕྲན་མཚོན་ཆ། 　核兵器 　བྱང་ཆུབ་སེམས་དཔའ། 　菩提薩埵　 འཛམ་གླིང་། 　閻浮提

## 出典

上記の内容は以下のWebページを翻訳し注記を付したものである。

<http://bodyiglobjong.com/noun/>
